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任意後見契約は公正証書で行う

任意後見制度とは

任意後見制度は、まだ自分が判断能力があるうちに、後見人候補者を選んで契約を結んでおく制度であることは前述しました。 契約は公正証書で行う必要がありますので、公証役場で公証人立会いの下で行います。 公証役場で任意後見契約を結ぶと、公証人が東京法務局に嘱託登記を行います。 登記がされると、公に後見人候補者であることを証明できます。 もし、既に本人の判断能力が低下しつつあり、契約できるかどうか不明の場合は公証人や主治医に相談して、契約締結能力があるかを確認します。 任意後見はあくまでも契約行為ですから、契約能力がなければ利用できません。

任意後見契約締結の費用

任意後見制度とは

任意後見契約は公正証書で行うため、公証人に費用を支払って契約を締結します。 下記が、一般的な費用(2015年現在)です。 公証役場の手数料(1契約につき1万1000円、それに証書の枚数等による加算) 法務局に納める印紙代 2,600円 法務局への登記嘱託料 1,400円 書留郵便料  約540円 正本謄本の作成手数料 1枚250円×枚数 なお、任意後見契約と併せて通常の委任契約をも締結する場合には、その委任契約についての費用も加わります。 その他、複数の任意後見人と契約締結する場合も、受任者の数だけ費用がかかります。 契約締結を行政書士や弁護士がサポートする場合は、別途サポート費用が必要ですし、後見人候補者受任の際に就任報酬を請求する事務所もありますので、契約締結前に確認が必要です。

任意後見契約の種類

任意後見制度とは

任意後見には、主として3種類の契約形態があります。 1、将来型 将来判断能力が低下した時に支援してもらえるように、契約を締結する。 が、元気なうちは後見人候補者の業務は発生しない。 一番、オーソドックスな形です。 2、移行型 本人の判断能力が低下しないうちから、後見人候補者に財産管理などの業務を依頼する。 判断能力が低下した際には、すみやかに後見制度に移行する形です。 判断能力が低下しないうちは、後見ではありません。 ただの委任契約です。 3、即効型 判断能力が低下しつつある時に、すぐに支援が必要で契約を結びます。 契約後、すぐに後見が開始しますが、契約能力に疑問が残る場合もありますので、慎重に利用してください。

任意後見のポイント

任意後見制度とは

一般的に成年後見といえば法定後見制度を説明されるため、任意後見契約が周知されていません。 そのため、任意後見制度についてわかりづらいとか、法定後見との違いがよくわからないと仰る方が多くいます。 いくつか、ポイントを挙げておきたいと思いますので、参考にしてください。 ・任意後見契約を締結しても、後見は開始していない 任意後見契約を結んでも、まだ本人の判断能力が衰えていなければ、後見は開始していません。 契約を結んで、後見が開始するまで待機している期間です。 本人の判断能力が低下し、家庭裁判所に後見開始の審判を申し立て、後見監督人(任意後見人を監督する者)が選任されて初めて、後見が開始します。 ・委任契約を有効に使う 上記のように後見開始まで長い期間がある場合には、本人と後見人候補者の関わりがありません。 下手をすれば、数年以上会ってもいない後見人が選任されることがあります。 そのため、見守り契約(後述)や移行型任意後見契約を結び、本人と後見人候補者との関係を保っておくことが多いです。 ・任意後見人は、死後の手続は行えない 後見制度全般について言えますが、後見人は本人の生存中の制度であるため、死後の手続(相続等)については権限がありません。 もし、死後の手続まで依頼したければ、後述の死後事務委任契約を結んでおく必要があります。 この点、法定後見制度では死後事務を依頼できないため、任意後見のメリットと言えるでしょう。

任意後見人には取消権がない

任意後見制度とは

「取消権」と聞いても、多くの方はピンとこないかもしれません。 成年後見制度の目的は、判断能力が不十分な方を支援することです。 ですから、法定後見であれば、判断能力が不十分な方が行った意思表示を、権限の範囲にもよりますが後見人等が取り消せる場合があります。   例えば、本当は買う気も必要もないのに、本人の判断能力の低下につけ込んで高価な商品を売りつけられたケースです。 この場合、契約自体が適法であれば、一般的には契約を取り消せないのが原則です。 しかし、後見が開始していれば、後見人は契約を取り消せる権限を付与されています。   任意後見には、「取消権」が想定されていなかったのか、無いんですね。 任意後見であっても、後見が開始すれば、上記のように本人が不当な契約を結んでしまう可能性がありますので、取消権があったほうがよいとは思うのですが、ありません。 そこは、任意後見のデメリットとも言えます。   もっとも、本人の意思を尊重する観点から、日常的な取引については全ての成年後見制度で取消権はありません。 日常的なスーパーでの買い物が、例として挙げられます。

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