家族信託のデメリット

テレビなどのメディアで万能のように宣伝されているケースもありますが、信託にもデメリット(必ずしもデメリットというわけではありませんが)があります。

信託もそうですが、成年後見や遺言といった制度にも、必ずメリット・デメリットがあります。

また、1つの制度で自身の終活を組み立てるのが難しい、希望通りにいかない場合は、各種制度を組み合わせることでほぼ希望通りのプランを作ることができます。

そのため、各種制度のメリット・デメリットを理解し、専門家に助けを求めれば、概ね満足のいく終活プランを作ることができるでしょう。

以下、信託のデメリットと思われる部分を記載します。

身上監護、見守り機能がない

信託は財産管理の制度であり、自身が認知症になっても事務処理を代行してくれませんし、病院などの入退院手続もしてくれない。

死後事務(葬儀や埋葬、不動産の賃貸借契約解除・退居)なども支援してもらえない。

つまり、身寄りがない方、周囲に頼れる人がいない方にとっては、不備の多いシステムになります。

受託者の事務処理が煩雑

受託者(財産を管理する者)は、帳簿等の作成、報告義務、帳簿保存義務などを負います。

ですが、一般の方が日々の記帳・仕分け処理をして損益計算書や貸借対照表を作成することは、なかなか大変です。

ただし、やむを得ない場合は、第三者に事務処理をさせることもできます。

・節税にはならない

信託のご相談で多いのが、節税対策です。

信託をすれば節税できると考えている方は多いようですが、課税は通常通りです。

別ページを作成して記載しますが、信託行為によって受益者となるものには課税されるのが原則です。

したがって、節税にはなりません。

しかし、例えば、自分が認知症になる前に不動産を子供に信託した場合でも、受益者が自身であれば課税されるのは自身のままです。

贈与税はかかりません。

ただし、信託登記は登録免許税が安かったり、不動産であれば信託の場合は取得税が課税されないケースがあったりしますので、信託を使うことによって課税関係が変化することはあります。

・信託内容が周囲にバレてしまうことがある

不動産の信託においては、登記がつきものです。

登記しなければ、第三者に対抗できませんから、権利保全のために必要です。

しかし、信託登記は、委託者、受託者、受益者など信託関係人の氏名や住所、財産や管理方法等が登記事項になっています。

つまり、公の登記事項証明書に信託内容が記載され、誰でも見られる状況になります。

信託内容を相続人などに秘匿したい場合には、デメリットになるでしょう。